【はじめに】
今回、距骨下関節と足部荷重点が膝関節アライントに及ぼす影響を背景に、私なりの変形
性膝関節症に対する臨床観を発表させて頂きたいと思います。
【距骨下関節と足部荷重点が膝関節アライメントに及ぼす影響( 骨模型にて)】
1.距骨下関節回内位→下腿内旋位+下腿外側傾斜
・距骨下関節回内位+足部内側荷重→下腿内側傾斜( 膝関節外反)
・距骨下関節回内位+足部外側荷重→下腿外側傾斜( 膝関節内反)
2.距骨下関節回外位→下腿外旋位+下腿内側傾斜
・距骨下関節回外位+足部内側荷重→下腿内側傾斜( 膝関節外反)
・距骨下関節回外位+足部外側荷重→下腿外側傾斜( 膝関節内反)
【足部荷重点と膝関節内反アライメント】
変形性膝関節症にて観察される膝関節内反アライメントにおいて下腿は外側傾斜しており
足部は回外していることが多い。骨模型による再現にて、膝関節内反アライメント時の下腿
の動きと同様の動きが観察されたのは足部外側荷重時の距骨下関節回内と回外の時である。
以上の事から、膝関節内反アライメントの構成要素の1つとして足部外側荷重が考えられる。
足部荷重点をコントロールする事が膝関節内反アライメント改善に繋がるのではと考えてい
る。
【足部外側荷重のコントロール】
運動や姿勢はあくまで「結果」であり足部外側荷重も同様に「結果」である。足部外側荷
重の「原因」として1番に考えているのは歩行における前方移動能力の低下であると考えて
いる。歩行動作は主に矢状面上の動きにて行われるが、前方移動能力が低下し前額面上の動
きに変化してしまい足部外側荷重が「結果」として現れているのではないだろうか?
【まとめ】
臨床で大事な事は「結果と原因の因果関係」を明確にすることだと思っています。その為に
個人因子・修飾因子・環境因子など「疾患」ではなく「人」と向き合うことが大切ではないでしょ
うか?当日はcase study による発表をさせて頂くので御指導・御鞭撻宜しくお願い致します。
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