【Back knee について】
歩行中の膝関節の逸脱運動のひとつに膝関節の過伸展(以下、Back knee)がある。その原
因のひとつとして、ローディングレスポンス(以下、LR)における膝関節屈曲制限が挙げられる。
この現象は様々な原因によって生じるが、足関節が底屈方向に関節運動が生じる場合と股関
節が伸展方向に関節運動が生じる場合のいずれかに分けて捉えることができる。
よって、LR での股関節・足関節の関節運動を再構築すればBack knee を治療することが可
能となると考える。
【立ち上がり動作とLR の関係】
LR 前後の身体重心の軌跡はIC ⇒ LR では前下方へ、LR ⇒ MSt では前上方へ移動する。そ
れらの軌跡は立ち上がり動作と比較すると、IC ⇒ LR は動作開始⇒離殿、LR ⇒ MSt は離殿⇒
立位と類似している。またその際の股関節屈伸方向、足関節底背屈方向での筋活動も類似性
があることが考えられる。
よって、立ち上がり動作時の股関節・足関節を詳細に評価・治療すればLR での関節運動を
再構築することができると考える。
【評価】
端坐位姿勢からの立ち上がり動作を視診・触診する。
<視診>
矢状面から股関節・足関節の関節運動に伴う膝関節の関節運動を評価する。
<触診>
股関節では母指・示指で伸筋・屈筋を、足関節では母指・示指で背屈筋・底屈筋の筋収縮を触
知する。この際の筋収縮のタイミングを左右差・股と足・屈筋・伸筋(背屈筋・底屈筋)で
比較する。
理想的な筋収縮のタイミングは、股関節屈筋⇒足関節背屈筋・股関節伸筋⇒足関節底屈筋と
して、逸脱したものを治療対象とし、再構築する。
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